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人間失格~太宰治~


「100%人間失格」


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                                           -「人間失格」より抜粋-



ある日、自分は友人の堀木とアントニム(対義語)の当てっこという遊戯をしていた。

黒のアント(アントニムの略)は白。けれども、白のアントは、赤。
赤のアントは、黒。・・・というように。

それから、

「罪。罪のアントニムは、何だろう。これはむずかしいぞ。」そう言うと、
「法律さ」と堀木は平然と答える。

「罪ってのは、君、そんなものじゃないだろう」
「それじゃあ、なんだい、神か?」

「まさか。・・・・・罪のアントは、善さ。善良なる市民。つまり、おれみたいなものさ」
「冗談は、よそうよ。しかし、善は悪のアントだ。罪のアントではない。」

「悪と罪とは違うのかい?」
「違う、と思う。善悪の概念は人間が作ったものだ。
 人間が勝手に作った道徳の言葉だ。」

自分と堀木。形は、ふたり似ていると感じていたが
実際のところ堀木は彼の快楽のために、自分を利用できるところだけは利用する、
それっきりの「交友」であると気付く。

罪のアントがわかれば、罪の実体がつかめるような気がして、
自分は必死になって考える。
「・・・・・神、・・・・・救い、・・・・・愛、・・・・・光、・・・・
 しかし、神にはサタンというアントがあるし、救いのアントは苦悩だろうし、愛には
 憎しみ、光には闇というアントがあり、善には悪、罪と祈り、罪と悔い、罪と告白…
 …みんなシノニム(同義語)だ。」


《罪と罰》ドフトエフスキイ

自分ははっとする。
彼が罪と罰をシノニムと考えず、アントニムとして置き並べたものとしたら?
罪と罰、絶対に相通ぜざるもの、氷炭相容れざるもの・・・・・

そして、そんな話を堀木としている間に起こっていた階下での悲劇。


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~親愛なる太宰治さま~

あなたはなぜ、ひとりで死ぬことができなかったのでしょうか?
あなたはそんなにも弱いダメ人間だったのですか?

もちろん女性にも、死にたい理由があったのかもしれませんね。
死にたいもの同士の悲しい魂が寄り添って
心中という形になってしまったのでしょうか。
けれども、心中という言葉の中から、愛情が伝わって来ないのです。

罪と罰。
やはり、私も、それはアントニム(対義語)のように思います。
罪を犯した結果、当然のこととして罪びとに与えられるべき苦痛。

罪とは甘い欲望であり、醜いエゴイズムでもあるのだから、、、


たくさんの女性と関係を持っても
あなたは誰も本気で愛してなどいなかったのでしょう。
もちろん、女性の方にも僅かに罪はあったと思います。
そういう時代であって、仕方がなかったのかもしれませんけれどもね。


「100%人間失格」


私があなたに、そう烙印を押してさしあげます。

あなたの気持ちは少し楽になりましたか?
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by ai-3sun | 2008-08-10 01:46 | books