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『舞台』(西 加奈子)

舞台

西 加奈子 / 講談社




この小説はニューヨークのガイドブック的な役割も果たし

葉太という主人公の”独り善がり”な「ひとり舞台」の話である。


それと同時に、作中に登場する小説『舞台』(小紋扇子)との関わり方が

sensitiveに描かれていてとても心憎い演出になっている。



29歳の葉太は、父親の遺産をつかってニューヨークへと旅に出る。

父親が残した『地球の歩き方 ニューヨーク』と

ずっと読みたいと思っていた小説『舞台』を持って。


『舞台』の作者の”小紋扇子”はひきこもりの作家で、数年に一度しか執筆しない。

実名も公表せず、顔も出さず、私小説を描く

引きこもりの作者の気持ちが葉太には痛いほどよくわかるのだ。

だから、その楽しみにしていた小説をセントラルパークのシープ・メドウで

どうしても読みたいと思って持って行ったのだった。


葉太は調子に乗ってはしゃぐ自分に対して、必要以上に警戒している。

「人間失格」を読んで、そこに登場する大庭葉蔵と自分は似ていると思っていた。

葉蔵は他者を恐れて生きていながら、それを完璧に隠し通せる”演技力”を持っており

葉太もイケメンで家が裕福であったという共通点もあって

「人間失格」に出てくる”竹一”的な存在に対しては、特に注意を惰らなかった。


ところが、その慎重な葉太がセントラルパークのシープ・メドウにたどり着いて

つい油断してしまったのだ。


「まさか」と思うような事態に直面して、葉太はへらへらと笑ってしまう。

”シープ・メドウすぎる”場所ではしゃぎ、浮かれ、我を忘れた馬鹿な自分が

情けなく恥ずかしく悲しいと思う。

それを隠すためにへらへらしている葉太。

『舞台』を読むために来た場所なのに、葉太にはもう本の内容が頭に入ってこない。

必要以上にヒトの目を気にしてしまう葉太。



葉太が6歳だった頃、彼は祖父の葬式で初めて亡霊を見た。

それは初めて葉太が意識をせず演じた”舞台”の後だった。


亡霊はニューヨークに行っても至る所に現れる。

ホテルの自分の部屋で、、、

2001年の同時多発テロのあったground zeroでも。


亡霊たちは葉太に何かを伝えたかったのだろうか?


死んだ小説家の父をしゃらくさくあざといと感じて嫌ってきた葉太。


葉太が自分を守るために演じてきた役は何だったのだろう?



そして、私達も知らず知らずのうちに何かを演じながら、

傷ついたり傷つけたりしているのだと思い知る。


葉太は”小紋扇子”の『舞台』を無事読むことができただろうか。


そしたら、そっと私に感想を聞かせて欲しい…。 



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by ai-3sun | 2016-03-18 23:14 | books

『北欧の挿絵とおとぎ話の世界』


北欧の挿絵とおとぎ話の世界

海野 弘 / パイインターナショナル




『北欧の挿絵とおとぎ話の世界』で紹介されていた挿絵画家のひとり

”カイ・ニールセン”に心惹かれた。


カイ・ニールセンは1886年デンマークのコペンハーゲンで生まれ、

イギリスのアーサー・ラッカム、フランスのエドマンド・デュラックと並んで

《挿絵の黄金時代》をつくったイラストレーター。


この頃のデンマークは、日本との交流が深く”ジャポニズム”(日本趣味)が

ニールセンの絵にも影を落としていたそうだ。

27歳の時にイギリスで挿絵画家としてデビューし、

”In Power and Crinoline”(「おしろいとスカート」)を出版。




ます、本書に出てきた「乙女と養母(イラスト1)」の挿絵について。


娘(乙女)が養母(魔女)に開けてはいけないと言われていた3つの部屋をのぞいたため、

【星】【月】【太陽】を逃がしてしまうシーン。


飛び去ってゆく月を見上げる白いドレスを着た乙女と

これからの運命をほのめかすかのように

乙女の左側に描かれている禁断の実を食べてしまうアダムとイブの姿が描かれている。


☆この挿絵の、”星がちりばめられた月”のファンタジックな美しさといったら…☆




「乙女と養母(イラスト2)」は

水を飲もうとした王子が、水面に映る美しい女の顔を見つけるシーン。

その美しい人とは、養母に呪われて口がきけなくなり、木の上に隠れていた乙女だった。




そして、代表作「太陽の東、西の月」(East of the Sun and West of the Moon、1914年)は

ノルウェーの民話集。


ニールセンは、北欧の青白い夜の空間の中に、幻想的な月や星をちりばめて

きらびやかな世界を作りだしている。


「太陽の東、西の月(イラスト1)」は

白くまに乗った乙女の姿が描かれているのだが、

白くまというのは王子の仮の姿。

月や星が、哀しいほどの淡い光でまわりを包み込み、

零れ落ちてくるかのような”白い光の葉”がとても美しい。


ニールセンの「太陽の東、西の月」には

エキゾチックな”波”や”細長い柳のような木”が多数描かれている。

特に「太陽の東、西の月(イラスト3)」の

”北風”が乗っている”波のしぶき”は日本の浮世絵そのもの。


「太陽の東、西の月(イラスト4)」では

細い橋(螺鈿細工のような模様)の上に馬に乗った乙女と王子がいるのだが、

後ろの赤い布(?)のようなモノの色が、やはり浮世絵を思わせる。

橋の下の方では、”波”と”岩”と”松の木に似た枝”が印象的だ。



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他にも素晴らしい挿絵画家の作品がたくさん掲載されていたのですが、

とりあえず、感想はここまでにしときますね^^


興味があった方は、是非ご覧ください!!
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by ai-3sun | 2016-02-15 23:10 | books

『100万分の1回のねこ』~佐野洋子さんへのトリビュートアンソロジー~

昨年の7月に刊行され、読みたいなぁと思いながら
忘れてしまっていた本の一冊がコレだった。



100万分の1回のねこ

谷川 俊太郎 / 講談社





佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』は200万部を超えるベストセラーだそうだ。

私も以前『100万回生きたねこ』を読んだことがあるのだが
どんな話だったのかあまり記憶にない。

猫好きとして面目ない感じでもある。


『100万分の1回のねこ』ができたそもそもの経緯というのは
広瀬弦さん(佐野洋子さんの息子さんであり、自らも作家)と谷川俊太郎さん、
編集者の刈谷政則さんの3人で飲んでいるときに考えた企画だそうだ。

それでいろいろな方々に依頼を出して
13人の人気作家による短編小説や詩の
”佐野洋子さん”へのトリビュートアンソロジーという形になったという。


それぞれの作品がとても味わい深い猫の話になっているのだけど
特に私が気に入ったのは
岩瀬成子さんの『竹』という物語だ。

岩瀬さんは児童文学を書く方なのでお話がわかり易く魅力にあふれている。

作者の紹介欄のページに書かれている
『100万回生きたねこ』に対するコメントがまず面白い。


100万回も平気で孤独を生きたのに、愛が猫を滅ぼしてしまった。
愛は恐ろしい。
うちの猫に「あんた、50回くらい生きたの」と訊いてみたが、知らんぷりしている。
案外60万回くらい生きているのかもしれない。


(笑)


『竹』に登場する”竹”というのは飼い猫の名前なのだが、
”竹”の飼い主の家族構成は、小学校6年生の菜々、姉の中学3年生の葉菜と、
(父親は単身赴任なので)母親の3人だ。

とにかくね、この子たちの母親がかなりの曲者なの!

母親は夜中までお酒を飲んだり煙草を吸ったりしているので朝は起きないし。

姉の葉菜が朝ご飯を作るようになったのは菜々が小3のときだった。
(姉は小6ってことね)

そんな家庭で猫がいなくなったところで
母親はまったく気にもとめていない。

一方姉は、”竹”がコワイおじさんにどこか遠くに捨てられて、帰って来られないのだと思う。

菜々も次第に、もう”竹”が戻ってこないのではないかと不安に感じ始め
”竹”を探しに出かけるのだが、、、


大学の先生をしている父親の方は
なぜかいつも菜々の携帯に電話をしてくる。

めったに家に帰ってこない父に猫のことを相談しても
「穏便にって。母さんに」と言うだけで、直接母と話はしない。

案外いろんな事情を抱えている家族のようだ。

何だろなぁ、、、
小学校6年生ごろの、初恋みたいにそわそわしたりする気持ちとかも
思い出しちゃうよね。


そして、”竹”はどうなったのか?…というと


……  読んでのお楽しみということで♪




猫ってそんなもんかも? と思いつつ… 
 

今度、近所のトラ猫に会ったら訊ねてみたいものだ

「キミの名前は?」って。



そしたら、「イッパイアッテナ。」って言われるかもしれないしね(笑) 楽しみだ。 

(ふふ、、、100万回生きたねこじゃないほう♪)
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by ai-3sun | 2016-02-01 23:32 | books

『晩年』の感想をちらほら

晩年 (角川文庫)

太宰 治 / KADOKAWA / 角川書店




『葉』の中に登場する
花売りの外国人の女の子の
「咲クヨウニ。咲クヨウニ。」

…というセリフが胸を突く。

ただ、それだけのことなのに…



安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、
ひしがれたくらしをしているときは、生のよろこびをつづる。



生活。

よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ

どうにか、なる。





『ビブリア古書堂の事件手帖』⑥巻にも引用されていた言葉。

叔母の言う。

「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。
 お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。
 お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。」

私はどれもよくできないだろうな。。
そんなに人に好かれなくてもいいからね


太宰はどんな気持ちで聞いていたんだろう




『ビブリア古書堂の事件手帖』②巻~栞子さんと奇妙な客人たち~

の第四話”太宰修『晩年』(砂子屋書房)より

栞子さん所有の稀覯本の表紙の見返しに書かれていたとされる一文

「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ
 スベテ コレ 罪ノコナレバ」

(太宰修の『晩年』の『道化の華』に登場する”大庭葉蔵”からのメールで物語が始まる)


死ぬことばかり考えていた作者の痛い程の思いが伝わってくる文だ。

すべての人が”罪ノコ”なら、誰に遠慮して生きることもないだろうが…



「ここを過ぎて悲しみの市(まち)」で始まる『道化の華』の主人公

”大庭葉蔵”という名の生まれるまで。

太宰でもあり、作者でもあり、登場人物たちの心情でもあり…
なるほど、若かりし日の私たちでもあって…


”青年たちはいつでも本気に議論をしない。お互いに相手の神経へふれまいふれまいと
 最大限の注意をしつつ、おのれの神経をも大切にかばっている。”


おどけて見せることで、真実を隠しているのだが

表面だけの人間関係は、すぐに終わりを告げるだろう

可哀想な人、可哀想な人。

キミも、私も。
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by ai-3sun | 2015-09-25 05:46 | books

『晩年』が読みたくなった

『太宰治「芥川賞 伏して懇願」』という記事が新聞に載っていた。
師弟関係にある佐藤春夫に宛てた手紙だという。

昭和10年、第一回芥川賞候補に『逆行』があげられたが次席となり、
第二回目の芥川賞に「伏して懇願した」願いもむなしく
その後も受賞することはなかった。

太宰は18歳の頃、泉鏡花、芥川龍之介の文学に傾倒していたため、
その年の7月に芥川が自殺したことに強い衝撃を受けたという。
芥川賞は本当に取りたかった”賞”だったのだろう。



最近芥川賞を受賞したお笑い芸人の又吉さんが、大好きだという太宰治。

(又吉さんの作品を読んでいないのでどうとは言えないけれど)
何だか、皮肉めいたものを感じてしまう。


けれども、本離れと言われている昨今において
又吉さんの功績は大きい。

又吉さんの『火花』を手に取った人はどれ程だったことか。

TV番組『アメトーク』での”読書芸人”の影響もあって
世間の人たちは、芸人がおススメしていた本を読みたいと思ったはずだ。
(読書芸人には又吉の他、オードリーの若林、光浦靖子さんなどがいた。)


=====どんなに作品が良くても、売れないとだなぁ…======


ところで、太宰の方に話は戻るが、
太宰は薬物中毒のため借金がかさみ、自分が持っていた『晩年』の本まで
古書店に売ってしまっていたという。

その話をもとに『ビブリア古書堂の事件手帖』⑥巻~栞子さんとめぐるさだめ~
で、太宰治の稀覯本を探すためのドラマが始まるのだが…

ビブリアシリーズは何度読み返しても面白い。

太宰治の作品はちょっと苦手意識があったけれど
『晩年』は読んでみよう。。(遅っ!!)
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by ai-3sun | 2015-09-08 23:08 | books

きっと映画化するんだろうなぁ、『キャプテンサンダーボルト』

『キャプテンサンダーボルト』(阿部和重・伊坂幸太郎)

キャプテンサンダーボルト

阿部 和重.伊坂幸太郎 / 文藝春秋





阿部さんと伊坂さんの共作という事で
若干の危惧があったのですが…(伊坂さんの持ち味を殺してしまうのではないかと)


とんでもない!!


大傑作です\(^o^)/




まるで”冒険活劇映画”(←古い!(笑))を観ているみたい!(だって、そうとしか表現できないだもん)


テンポの速い展開と良く練られたストーリー構成

そして、キャラクターの個性が際立っているので

最初のページからどんどん物語にのめり込んでいってしまいます!


もっと、もっと早く出逢うべきだった!この本に!!



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1973年式のポンティアック・ファイヤーバード・トランザムを乗り回している相葉時之。


マイケル・チミノ監督の映画『サンダーボルト』に出てくる車と同年型式のものだ。


(ここで本を読む前に映画『サンダーボルト』のあらすじを頭に入れておくのもいいかも☆)



相葉は予想を裏切らず

これでもかと次々とトラブルを起こし、同じ少年野球チームだった仲間たちを巻き込んでいく。



一方、かつて相葉の親友でもあった井ノ原悠にはアレルギーで悩む子供と心身症の妻がいる。

(井ノ原!絶対に首を突っ込むんじゃないぞーーーーー!と

 多分、読者の半分ぐらいの人たちは祈っていたと思うのだが、

 巻き込まれないとお話にならないからね〜( ̄^ ̄)ゞ仕方がない…)


*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*._.:*^*._.:



「ガイノイド脂肪に注目しろ!」 ←女性特有のセクシーな脂肪?

…から小説が始まり、楽天の田中将大投手の話もところどころに折り込み
映画の『サンダーボルト』(←本当にある)と
『雷神戦隊サンダーボルト』(←物語の中でのみ存在する)や
相葉と井ノ原の小学校時代の亡くなった同級生(委員長と呼ばれていた)の家族など
複雑に絡み合っているものを、きちんとリンクさせて楽しませてくれるところはさすがです!



小説家”阿部和重”と”伊坂幸太郎”が持てる技術をすべて注ぎ込み

「トリヴィアルな情報も入れて、その流れの中で伏線も埋め込む。」(←”本の話WEB”より)

と話していた通り、何気ないシーンがすべて意味のあるものだったというのは感動ものですね♥(*´艸`*)


”本の話WEB”には『ふたりで村上春樹さんとたたかう』というテーマでも話し合われていて

伊坂さんが「阿部さんなら村上春樹さんと対抗できるんじゃないか」と言ってしまうくらい

阿部さんの才能を買っていたというのです

(私はこの『キャプテンサンダーボルト』を読み、
 ふたりは、絶対”村上春樹さん”を超えた!と思ったけれどね)


そうして、史上最強な完全合作が実現するわけですが…


2011年8月には、男3人(阿部さん、伊坂さん、元編集者)で蔵王へ取材旅行に行き
玉こんにゃくを食べたそうなんです。。(何だか微笑ましい)

完全合作というのは、お互いに尊敬し、共感し、信頼し合っていないと出来ませんよね

そういう意味でも最強なコンビネーションだったわけです


*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*._.:*^*._.:


物語に戻りますが

私が好きなのは何といっても、犬の”ポンセ”です♪


えっ、何で犬なの?って


カーリーコーテッド・レトリーバーですよ!すごいじゃないですか
(黒っぽい巻き毛の大型犬、通常回収犬として活躍する犬種)


しかも、本当の名前がわかんないんですからねーーーーー(いい加減な性格の相葉ちゃんのせいで)

「バース」って呼んでも振り向かないから、多分「ポンセ」だったんじゃねー?的な…(笑)

(プロ野球の助っ人外人の名前だったらしい)

この辺のくだりや少年野球チームで使っていたサイン(ダブルスチールなど)が役立つところとか

野球好きの人には堪らないシーンも満載です ??


女子受けしそうなヒロイン「桃沢瞳」も魅力的ですよね

知的で積極的に事件に関わっていく女性!しかもキレイ♪

ヒーロー戦隊ものにはステキなヒロインも必要不可欠!


映画化されるなら誰が抜擢されるのかなーーー

あんまり変な女優にやって欲しくないなぁ



そうそう、主役二人の相葉時之と井ノ原悠は

どうしても《嵐》と《V6》を思い浮かべてしまうところだけど

それは違いますからねーー
 
そこだけは、絶対お願いしますよ!!!(断じて、相葉ちゃんとイノッチではない)


最近の映画は、物語に合った俳優や女優を選んでないでしょ

出来れば映画化して欲しくない作品だよね!

(ビブリアの二の舞いになるから剛力だけはやめてくれ!)

でも困ったことに、いかにも映像化したくなるような作品なのです




そう言えば、蔵王の河口周辺は最近まで噴火のレベルが上がっていたけれど

警報が解除されたらしいですね(おぉ、撮影できちゃうじゃないかっ)


『雷神戦隊サンダーボルト』を撮影したとされる蔵王の『御釜』。。

物語の鍵を握る場所だけに行ってみたいですよね…


子供のころのヒーロー戦隊ものシリーズなんかも、私、好きだったからなぁ~
(ピンク役は女子の間で奪い合いww)

主役はレッドだけど、軽いノリでレッドをサポートするブルーも人気あるよね~☆


だから、相葉ちゃんと井ノ原くんに例えるなら

やっぱりレッドは井ノ原くんで相葉ちゃんはブルーの”ライトフット”かなって思うけど!


でもって、文中での二人も「俺がレッドで、お前がブルーだ」という

かなり大人げないその辺のやり取りも面白くって!


「これは全部、ガキの頃の思い出のおかげだ。
 あの頃に見聞きして、味わったことのすべてが、今の俺たちを守ったんだ。」

…というセリフ通り

常識に惑わされないことと、

自分たちの手で培ってきた経験の力は、いざという時に役に立つのかもしれません


「常識を疑え!」「常識を疑え!」「常識を疑え!」


+++おまけ+++ 


読書中も読後も、たくさんググりました!

『サンダーボルト』の映画は本当にあるのか?とか
「ガイノイド脂肪」のこととか。(蔵王の御釜もね)

ついでに(っていうと失礼だけど)
阿部和重さんの作品を知らなかったので(無知でゴメンナサイm(__)m)調べたところ
『グランド・フィナーレ』(芥川賞受賞作品)
『ピストルズ』『インデイヴィジュアル・プロジェクション』などがあげられること。
今後、読んでみたいですね^^
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by ai-3sun | 2015-07-29 14:53 | books

『夜の国のクーパー』(伊坂幸太郎)

夜の国のクーパー (創元推理文庫)

伊坂 幸太郎 / 東京創元社




伊坂幸太郎さんはすごい小説家だ。


以前誰かがテレビで言っていたのだが、

「小説の良し悪しは、どれだけ悪役を上手く描けるか」だと。



まさにその通りだと思う。

伊坂さんの小説に登場する悪者は
感心するぐらい冷酷だ。

それでいて、

暴力シーンはうまくぼかしながらも

読み手の想像力を最大限に煽っていく。


私は被害者がどれほど酷い仕打ちをされているのか

頭の中で勝手に膨らませ

激怒したり大いに悲しんだりしてしまうのだ。


それにしても、、、

猫のトム君がとても魅力的である。


読んでいるだけで
猫が獲物を狙うときの表情や
ひげやしっぽの様子まで
全部思い浮かべることが出来てしまう。

…トム君がここにいて

今まさに私に喋りかけているような…♪


私はこの本を読みながら
猫と話が出来るということで
”村上春樹”さんの小説を思い起こしていたのだが、
どうやらそれは、全然関係がなかったみたい (~_~;))

(”あとがき”によると、作中の名前に関しては
 大江健三郎の『同時代ゲーム』の中の登場人物の名前になぞらえたらしい。)


そうなのか…

いつか機会があったら読んで見よう。



小説の後半の方では
物語の中の”冠人”が、”安倍総理”とダブってしまった。

.........あぁ、そうかも。

私達も疑ってかからないと
村人たちのように
騙され続けることになるかもしれないな。


そんなことを思った。
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by ai-3sun | 2015-06-20 22:41 | books

最大のミステリーとは?

最後のトリック (河出文庫)

深水 黎一郎 / 河出書房新社





『最後のトリック』~深水黎一郎作~


昨年、この本の事が新聞で紹介されていたので
翌日本屋さんに行って即買いしたのですが

やっと読み終わりました(^^;  遅すぎ~~


”読者が犯人”というミステリー史”最後のトリック”!!
…と聞いたなら

ミステリーファンとしては、かなり気になりますよね♪


解説で島田荘司さんが

結果として究極の「フーダニット」は、
冒頭に述べた「ホワットダニット」に近づいたように私は感じた。

(ちなみに冒頭に述べた「ホワットダニット」とは、エドガー・アラン・ポー作『モルグ街の殺人』のことを指している。)


…と話しているように


重要なのは、
どうして読者が犯人にならなければならないのか?ってことです


これは読者に対して、言いがかりをつけているようなものですから…



作者は、

何のために、どんな形で、
”私たち読者”を関わらせていこうと思っているのでしょう?



例えば、東野圭吾さんのような推理作家の場合、
”大学で心理学の講座を受けもっている博士が登場”となると
犯人ではなくても何かしらのヒントを与えてくれていたりします。


けれども、本書においては
そういうはっきりとしたヒントを期待するのはどうかと思います。


(かと言って、本題に関係ないと思われる話も
”読者が犯人”となってしまう理由を
”納得”させるためには必要不可欠な部分なのだという事もお忘れなく!)




とにかくこの本は、最後まで一気に読んでしまいましょう!



読後、

私は読者が犯人にされてしまった矛盾と、

他の方法で
なんとかして”その人”を救えなかったのではないか…というような

様々な苦い気持ちを味わうことになりました。



*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*._.:*^*._.:




ところで、知人に聞いた話ですが…


「推理小説は、犯人がわからないと安心して読めない。」
という友達がいるというのですが
本当にそんな人っていると思いますかー?


居るなら、

むしろ、その人の方が私にとっては最大のミステリーですけどw
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by ai-3sun | 2015-03-16 22:13 | books

1984年のメランコリー  ~『1Q84』(村上春樹)~

                        (村上春樹の『1Q84』BOOK1~3)


1984年のメランコリー と題して  

                         
                         ** これは、かなり前にメモしておいた感想文です

                         ** 記憶の底に埋もれてしまう前に。。




*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*:._.:*^*._.:*^*._.:




この小説は、村上さんと同じ年代の人たちにとっては
古き良き時代のような懐かしさを感じることだろう。


ところで、青豆という苗字は風変わりだ。
”青豆雅美”が彼女の名前。
そして、10歳の頃から愛し続けていたのが、同級生だった川奈天吾。


青豆さんはいつも孤独だ。彼女がどのくらい孤独かというと
誰もいない山奥の森の中で
暗く湿った地面を朝から晩まで
ずっと掘り続けているみたいに孤独だ。(私の妄想。。)

穴の中には、迷い込んだように、
時おり何処からか
ほんの僅かな光が一筋差し込む。

その光を頼りに、昔埋めたはずのタイムカプセルを見つけだそうとしているみたいだ。


タイムカプセルの中身はどうしても思い出せない。
だけど、一緒にそれを埋めたコの顔だけはよく覚えている、みたいな、ね…

錆びついて汚くなってしまったクッキーの缶の中。

奇跡的にキレイな状態で保存されている子供の頃の宝物は一体なあに?

その宝物を見つけ出した瞬間に、
それが宝物ではなくなるとしても。(…あくまでも私のイメージです)



青豆さんは自分の体にとてもコンプレックスを持っている。

私からすれば、そんなものはもはやコンプレックスとは呼べないくらいだけれど、、、


だいたい自分の体をまじまじと見つめたこともないし。幸いなことに(苦笑)



頭のいい誰からも好かれる天吾君の方は
なぜか子持ちの人妻と不倫関係を続けている。
そんな冴えない女性を相手に選ぶ天吾君の気持ちが
私にはどうしてもわからないんだけどね。

結婚するつもりがないのだから、
二人ともセックスだけ楽しめばいい…のかな

体の飢えを満たすための性交は、アサマシクてミニクイ。


心と体は”別のもの”なのだろうが、
私には彼らの気持ちは永遠にわからないと思う。


天吾君が望まなくても、ある種の女性は天吾君に惹かれてしまうのだという。
だから、天吾君は自分ではアクションを起こす必要はない。

優しくて穏やかな天吾くんは
実は優柔不断なだけじゃないのかな?


彼の計算高くないところは好感を持てるが
時々笑えないアメリカンジョークのようなフレーズを小さな声で口にする。

そして、相手がそれを聞き漏らしてもう一度訪ねると
「いや何でもない。」と答えるのだ。
そんなやり取りが随所にみられるのは、多分村上さんの趣味だろう・・・

気になるのは、回りくどい言い方や相手の言葉を復唱する場面が多いところ。
もちろん、素敵な表現もたくさんあるんだけれど。


細かく描写することによって
読者は頭の中に、より鮮明なシーンを思い浮かべる事が出来る。
けれども、ストーリー展開がスローになり
じらされているような感じにもなる。


村上さんが”ある言葉”のニュアンスをとても気に入っているのか
それとも”その言葉”自体を強調したいのか
どちらなのかはわからないのだけれど、
文章の脇の『、、、、、、、、、、、』は、とても気になる。



それに、村上さんの小説の登場人物たちは
口には出さなくても、人を観察する目はなかなか厳しい。


私自身はのほほんと生きてるので
人間観察の力がまるでなく(…というか、観察してはいけないような気がして)

だからこそ、その人の”持ち物”や”部屋”や”行動”や”言葉遣い”で
その人間の”人となり”を決めつけたくはないと思う。

そういうと言い訳がましく聞こえるかな?(確かに言い訳かもしれないが…(-_-;))


なら、私はこの村上さんの小説が本当は好きじゃないのか?


…私は村上さんに対して
まるで初恋の人への未練に似たような感情を抱いているというのに?


村上さんの小説が売れて欲しいと願う反面
(私が頼まなくても十分売れているけれど)
そこまで絶賛されるほどのものだろうか?   とか


勿論、私の憧れの人でもあるし。
(私が憧れなくても十分世界中の人たちに愛されているけれど)



    私は あなたが生活していた時代と空間に ワープ してみたいのだ。。

私は多分、村上さんの小説の中に
村上春樹さんという人間の中に
誰か別の人の姿を探しているのだろう。


ある種の音楽の
その旋律の一部が深く心をえぐるように

深いトランペットの音色に
急に泣き出したくなってしまうように


私は”あなた”の事をそんな風に思い出して
いつか出逢えるはずの”あなた”を待ち望んでいるのだろう。
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by ai-3sun | 2014-10-21 22:51 | books

ずっと読みたいと思いながら忘れていた本 『世界から猫が消えたなら』



世界から猫が消えたなら(川村元気著)




想像してみて

もし、世界から猫が消えたなら

あなたはどうするの?



世界から猫が消えたなら

川村元気 / マガジンハウス






「猫を消す?」

そんな事、考えたこともなかったけれど


猫だけじゃなくて

電話、映画、時計…も

それが存在しないと

世界が変わってしまうかもしれないもの



それは、自分の”一日”の延命と引き換えに

主人公が消してもいいと思ったもの



作者の川村元気さん、

さすが『モテキ』や『悪人』などを制作してきた映画プロデューサーだけありますね


感動の”ツボ”を心得ているような気がします


全体にライトノベルズ的な軽快さが漂っているのですが

テーマは結構重いです


猫と自分の命とどちらが大切なのか…

主人公の気持ちに同化してしまい

ラストに近づくにつれて、涙と鼻水でぐしょぐしょ状態。。


久しぶりに小説を読んで泣きました

(表紙の猫の写真も、猫好きにはたまりません!!)


自分の存在理由について思いを巡らせたりするけれど

人間はいざとなると、命は惜しいてござるよ…


 
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by ai-3sun | 2014-07-30 23:16 | books