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カテゴリ:books( 36 )

「嫌われる勇気」で人は幸せになれるのか?



嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

岸見 一郎,古賀 史健/ダイヤモンド社

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「嫌われる勇気」というタイトルのドラマも放送されたりと何かと話題の本ですよね。


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この本は、”嫌われる勇気”を持つ事によって

人は変われるし、幸せになれるという「アドラー心理学」について

青年と哲人の対話篇という物語形式を用いてまとめた一冊という事です。



この本のいくつかの設問に対してひっかかった部分があるので

↓に書き出してみました。(黒い文字が私の感想)



◆トラウマは存在しない


”トラウマ”に関しては、私は”ある”と思う。

そして、これからも存在し続けると思う。

過去を切り離すことは難しいし、過去から学ぶこともあるし…


けれども、”トラウマ”や”後悔”が

私を前に進ませてくれないのも真実。



◆すべての悩みは「対人関係の悩み」である


ホント、対人関係の悩みは尽きないよね。

どんな場所、どんなコミュニティにおいても。

そして、人をおだてるのが苦手な私は、よく嫌われる…(苦笑)

人間として欠陥のある人に気に入られても嬉しくないから

嫌われてもいいんだけど。

(↑これは「嫌われる勇気」と言っていいのか?)


人と人とのつながりは、縦の関係ではなく、横の関係にすること、

叱ったり褒めるのではなく、感謝の言葉を述べると良い。


私はこう見えて(?)感謝の言葉はちゃんと伝えるタイプ。

「ありがとう」と「ごめんね」が言えない人とは付き合いたくない。



◆人生は他者との競争ではない


”人々は私の仲間である”という意識が大切だという。


それについて異論はないのだが、

競争をしたがる人に巻き込まれてしまう事は多い。

相手がライバルじゃなく仲間だと思ってくれないと始まらない。

私が変わっても、他の人も変わってくれなければダメじゃないか?



◆ここに存在しているだけで、価値がある

◆普通であることの勇気


身体の弱い自分を、普通の人より劣っていると思う事がしばしばある。

”健康で普通に生きている人”がマジ羨ましい!!のだ。

(普通で暮らせるって、すごいコト!みんな、どーして気づかないの? )


自分を好きでいられるなら、存在しているだけで価値があると思えるのか…


ハンデがあっても「普通を目指していく」だけの勇気はあるけれど。



◆自己肯定ではなく、自己受容


自分が「できない」のに「できる」と暗示をかける事ではなく

「できない自分」をありのままに受け入れ、できるようになるべく、前に進んで行くこと。


私はある時期から

「できないこともある自分」という容れ物を受け入れて来た。

そして、自分の出来る範囲で頑張ってきたと思う。


ただ「他者信頼」に関しての”勇気”だけは持てない。

それを”勇気”と呼んでいいなら…



◆「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ


人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しない。

”いま、ここ”を真剣に生きるということ。


私は「未来」が見えなくなってから

「今」を何とかやり過ごしていく事ばかり考えている。


私の”宿題”をクリアしても

平気で自分の”宿題”を丸投げしてくる人たちがいるからね。


一日一日を”真剣”に生きてきたのに

何か実った?


少しでいいから「幸せな未来」を見せて欲しい。


「過去」も「未来」もない「ここ」には、何も存在しないのと一緒…

確かに「刹那」ではあるけれど。


(私、心が病んでるかも?)

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正直に言うと

自己啓発系の本は、押しつけがましくて苦手です。


私には「アドラー心理学」が上手く消化できなかったみたいですね(^^;


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by ai-3sun | 2017-02-18 14:04 | books

『スカラムーシュ・ムーン』(海堂尊)


”スカラムーシュ”こと彦根先生が出てくるシリーズは、絶対的に面白い。


シードラゴン(海竜)って、 ”タツノオトシゴ”の意味だったのね…とか

そういう何て事のない発見すら楽しいのだ。(余談ですけどw)


スカラムーシュ・ムーン

海堂 尊/新潮社

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今回の物語の軸になるのは、新型インフルエンザワクチンの開発。

それを政治的な思惑によって阻止しようとするお役人たち。

あ~あ、全く霞が関の官僚には嫌気がさしてくるよね。

(本当にありそうなので…)


唯一救われるのは、卵へ愛情を注いでいる人達の存在だ。


ニワトリの卵からインフルエンザのワクチンが出来るとは聞いていたけれど

ニワトリを飼育し、無精卵ではなく有精卵の卵を産ませ

その卵を搬送する事は、想像以上にデリケートで大変な仕事なのだ。


(こんなに卵を大切に扱ってくれてるから

 私達はいつも美味しい卵を食べられるんだね。ありがとう!)


そして、インフルエンザワクチンの製造も、研究所はもちろんのこと

養鶏業者や運送業者の方々の力がないと出来ないんだな…と痛感。


それにしても、なぜニワトリに”鳥インフルエンザの予防ワクチン”を投与出来ないのかって

疑問も残るよね?

(それに関してはこの本の中で詳しく描かれているけれど)


安価で卵が手に入る事は、私たちにとっては非常に有難いのだけれど

こんなにリスクが高いのに適切な価格で取引されなかったら

仕事をする人がいなくなってしまうんじゃないだろうか…


政治的な背景だけじゃなく、

インフルエンザ患者が急増中の今だからこそ、より興味深く読める一冊だと思う。


インフルの予防法? それは、

「手洗い」「うがい」「養鶏業者さんへの大いなる感謝の気持ち」を怠らないこと!です。
(私の場合はね!)


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by ai-3sun | 2016-12-15 22:52 | books

9月になってもまだ暑いから部屋で本を読もう

9月だというのに残暑が厳しい!


そうすると、暑くて歩くのが面倒になって車に頼っちゃうよね~w


…で、車に乗っていると時どき

「ぶっちぎったるでぇ~!」ってキモチになるんだけど(何で?)

何しろ安全運転第一なので

実はそれ程スピード出せなくて、余計ストレスが溜まる…みたいなw



まっ、そんなこんなでストレスが溜まってしまった時は

部屋をガンガンに涼しくして

冷たいビールを片手に読書だーー^^ (しかも、好きな音楽を聴きながら♪)


最近はまっていたのは、松岡圭祐さんの「探偵の探偵」「水鏡推理」「探偵の鑑定」のシリーズ!


探偵の探偵 (講談社文庫)

松岡 圭祐 / 講談社




「探偵の探偵」は北川景子さん主演(紗崎怜奈役)でドラマやってたよね。

(あの時にディーン・フジオカさんを初めて観て”きゃぁ♡”タイプ!ってw )


ただ、全体的にグロいシーンが多かったかな。。


水鏡推理 (講談社文庫)

松岡圭祐 / 講談社




それに対して、「水鏡推理」シリーズは

ミステリーだけれど人が殺されることがないので抜群の安心感!  

しかも、役に立つ情報がたっぷりってトコも見逃せない!!

例えば、

Q1: 「街中にいるとき直下型大地震が襲ったらどうすればいい?」

 
瑞希:「ガソリンスタンドへ逃げ込むべきです」(え~?と思うでしょ。理由は本を読んで確かめて!)


Q2: 「エレベーターの中で大地震に遭ったら?」


瑞希:「すべての階のボタンを押します」


Q3: 「エレベーターが落下してしまったら?」


瑞希:「中央で寝そべります。落下し始めてからでは遅いので、その可能性があるなら寝ておくべきです」


Q4: 「広場にいるとき雷が鳴り出したら?」


瑞希:「伏せずにしゃがみます。脚の間隔は狭くします」


Q5: 「バーベキューの最中、火が誰かのセーターに引火したら?」


瑞希:「炭酸飲料を振って噴出させ、消火器のかわりにかけます」


…という具合。(ねっ、防災のためのミニ知識!)


探偵の鑑定1 (講談社文庫)

松岡 圭祐 / 講談社



そして、「探偵の鑑定」Ⅱになると

「探偵の探偵」「万能鑑定士Q」「特等添乗員αの難事件」「水鏡推理」のヒロインが勢ぞろい…

からの、いいトコ取り!!! (なんて豪華なキャスティング!)

それぞれのヒロインの得意分野が活かされていて、ワクワクしながら読んでしまった~!

ファン名利に尽きるって感じ♪


そうそう、、、凄く楽しめるのだけど

松岡圭祐さんの描く”若者言葉”にちょっとだけ違和感をもってしまった…(^^;



でも、面白くて病みつきになります!!

絶対におススメ!!!


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by ai-3sun | 2016-09-06 23:07 | books

世にも不思議な?『世にも奇妙な君物語』(朝井リョウ)

世にも奇妙な君物語

朝井 リョウ / 講談社




短編小説なので、かいつまんでご紹介♪

まずは、、、




《シャアハウさない》第1話

シェアハウスの取材をすることになった浩子。

第5話になって意味を持つ言葉となる、

浩子の友人の「普通、忘れたいじゃんあんなこと」というセリフに注目!




《リア充裁判》第2話

個人的に一番好きだった話。

ラスト3ページになって、思わず二度見(二度読み?)しちゃいました。




《立て!金次郎》第3話

頑張れ!金次郎!と応援してたのに、

最近の”モンペ”(モンスターペアレント)は相当タチが悪い。

(ところで、「ほらほら、冷める前に食おうぜ。」と言ったのは誰だったっけ?)




《13.5文字しか集中して読めな》第4話

ネットニュースのリアル。(←ココ13.5文字以内に収まった~)

私も”13.5文字”のニュースタイトルに振り回されることがしばしば。

結局何が言いたいんだ~?ってね。

”?”マークはいろいろ使えるらしいw (なので、私も使ってみよう?)




《脇役バトルロワイアル》第5話

物語の舞台は蜷川幸子演出の新作舞台主演オーディション最終選考会場。


【最終選考メンバーの氏名】が

八嶋智彦 桟見れいな 勝池涼 渡辺いっぺい 板谷夕夏 溝淵淳平

(あらら、なんだか知ったような名前ばかりwww)

一体どんな厳しいオーディションが行われるのか?



(絶対に、最終話から読み始めないで下さいね!)



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by ai-3sun | 2016-05-24 22:26 | books

「ウルビ、ソンコ、パラ、サヤイ」

ふくわらい (朝日文庫)

西 加奈子 / 朝日新聞出版




『ふくわらい』(西 加奈子)


(注)この本の作中には『ふくわらい』というタイトルからは予想もつかないキワドイ言葉アリ!

   フリースタイルダンジョンだったら、”コンプラ”マークだぁ~~~w
 

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4歳の頃、雑誌の付録についていた『福笑い』で遊んでから

『福笑い』がこの世で一番面白い遊びだと思った”鳴木戸定”(ナルキド サダ)。


父の栄蔵は紀行作家で、「定」という名は

作家のマルキ・ド・サドから名前をつけたらしい。(変人すぎる!)


定が5歳の時に母親の多恵が亡くなったので、栄蔵は定を様々な国に

連れていくようになった。


7歳になった定は、ある国のR族の慣習に従って

コミュニティの中で死んだ人を葬る儀式に立ち会うことになる。

(その経験がのちの定に大きな影響を与えるようになるのだが…)


定が12歳の時に栄蔵がこの世を去り、彼女は18歳まで親戚の家で面倒を見てもらう。


その後、2DKのマンションでひとり暮らしを始め、

25歳の今は出版社で文芸編集部の編集者をやっている。

しかし、”小暮しずく”(ぱっちりと大きな目と少女のような愛らしい唇をもつ1年後輩)や

無理難題を言ってくる作家の面々と、定の会話はどこか噛み合わない。


処女の裸が見たいという”水森康人”や、雨が止まないと書けないという”之賀さいこ”の要望に

定はどう対処するのか?


『福笑い』のように相手の顔から目や鼻を切り取って、

頭の中で自由自在に他人の顔に張り付けていく定。

定にとって人の顔の判断基準は美醜ではなく、「面白い」かそうでないかだ。

だから、定は週刊誌のコラムを書いている”守口廃尊”(モリグチ バイソン)

というプロレスラーの顔がとても気に入っている。

(無神経な話ばかりするのだけどね。)


「言葉」は福笑いのパーツのように文字のひとつひとつが小さな絵になっていて

組み合わせ次第で無限に広がっていくという喜び…

それが定の編集者としての心を占めているようだ。


そんな定がある日、白杖を持つ目の不自由な”武智次郎”と出会う。

イタリア人の父と日本人の母から生まれたエメラルドグリーンの目をした男。

(ただし、千葉で離婚した母と同居中の34歳。)

顔が見えない武智にとっては、優しくしてくれた定が「定のすべて」だ。


人の心の機微が分からないと言っていた定だったが、人と触れ合ううちに

定に変化が訪れる。

(それぞれのエピソードがとても温かく心地良いの!)



人間は顔を見て人を好きになる訳じゃないけれど、

例えば、その人の顔の配置が少しでもズレていたら

その人を好きになっていたかな、と考えてみる。


(大切なのは心だって言うけど、心の中はなかなか見えないもんね。)


自分でも分からない”痛み”を吐き出せた時から

本当の定の人生が始まるのだ。


心の痛みにはちゃんと向き合わないと、いつか自分が壊れちゃうよね。

私も誰かに心を許して思い切り泣いてみよーかな? (なーんてw)


弱い自分の事もちゃんと受け止めてくれる人に出会えたなら

それはすっごく幸福なことだと思う。



* あとね、もし映画化とかするなら、”定”役は安藤サクラさんかな。



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by ai-3sun | 2016-05-02 09:10 | books

『君の隣りに』(本多孝好)

君の隣に

本多 孝好 / 講談社




デリヘル嬢の生活の事を一度も考えたことはなかった。

(うん、多分それがフツーだっ!)


この本がそういうストーリーだったことも

ページを開くまで知らなかったし。

だから、読み始めてから面食らってしまった。

(あらー!そんなストーリーだったなんて)


だけど、私達はその種の仕事をしている人に対して

どんな意見を言えるのかな?


想像してみる…


デリヘルをしている女性の子供の事を

普通の生活をしている(と思っている)人々はどんな風に扱うんだろ…って。



小学4年生の子供を持つデリヘル嬢が

娘を置いて消えてしまった事件を発端に

彼女に関わる様々な人達の日常や過去が明らかにされていく物語。


本多さんの作品は、世の中のデリケートだったり汚かったりする部分も

”キヨラカ”に変換してしまう技を持っているんだよね。

だから、ここに書かれているようなお仕事は

ホントはこんなもんじゃない!!



…と言いながらも、最終章では思わず涙ぐんでしまった。

普通の中学生は、こんなに大人じゃないって分かってるんだけど。



世の中の私の知らない場所で生きている人たちの生活を考えてみる。

普通だと思っている生活も

誰もがそんなに簡単に手に入るわけじゃない。


生きていきたいわけじゃなく

生きていかなければならない…

そんな人たちもたくさんいる。(もしかしたら、私もその一人)


そういう人たちはどこに居場所を求めたらいいの?


「君の隣りに」居たいと言えるならいいな…


でも、「君」の存在が見つからない人間はどうしたらいい?


のろのろと人生を彷徨い、目指す場所もなく

そのうち、自分が”ニンゲン”だったことも忘れてしまうんだ。


自分をもっと大切にしよう。

そして、大切にしたい人を見つけようと思った。


自分の気持ちが届かなくても、

”君がいるこの世界に生きている” それだけで十分。



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by ai-3sun | 2016-04-04 23:17 | books

『舞台』(西 加奈子)

舞台

西 加奈子 / 講談社




この小説はニューヨークのガイドブック的な役割も果たし

葉太という主人公の”独り善がり”な「ひとり舞台」の話である。


それと同時に、作中に登場する小説『舞台』(小紋扇子)との関わり方が

sensitiveに描かれていてとても心憎い演出になっている。



29歳の葉太は、父親の遺産をつかってニューヨークへと旅に出る。

父親が残した『地球の歩き方 ニューヨーク』と

ずっと読みたいと思っていた小説『舞台』を持って。


『舞台』の作者の”小紋扇子”はひきこもりの作家で、数年に一度しか執筆しない。

実名も公表せず、顔も出さず、私小説を描く

引きこもりの作者の気持ちが葉太には痛いほどよくわかるのだ。

だから、その楽しみにしていた小説をセントラルパークのシープ・メドウで

どうしても読みたいと思って持って行ったのだった。


葉太は調子に乗ってはしゃぐ自分に対して、必要以上に警戒している。

「人間失格」を読んで、そこに登場する大庭葉蔵と自分は似ていると思っていた。

葉蔵は他者を恐れて生きていながら、それを完璧に隠し通せる”演技力”を持っており

葉太もイケメンで家が裕福であったという共通点もあって

「人間失格」に出てくる”竹一”的な存在に対しては、特に注意を惰らなかった。


ところが、その慎重な葉太がセントラルパークのシープ・メドウにたどり着いて

つい油断してしまったのだ。


「まさか」と思うような事態に直面して、葉太はへらへらと笑ってしまう。

”シープ・メドウすぎる”場所ではしゃぎ、浮かれ、我を忘れた馬鹿な自分が

情けなく恥ずかしく悲しいと思う。

それを隠すためにへらへらしている葉太。

『舞台』を読むために来た場所なのに、葉太にはもう本の内容が頭に入ってこない。

必要以上にヒトの目を気にしてしまう葉太。



葉太が6歳だった頃、彼は祖父の葬式で初めて亡霊を見た。

それは初めて葉太が意識をせず演じた”舞台”の後だった。


亡霊はニューヨークに行っても至る所に現れる。

ホテルの自分の部屋で、、、

2001年の同時多発テロのあったground zeroでも。


亡霊たちは葉太に何かを伝えたかったのだろうか?


死んだ小説家の父をしゃらくさくあざといと感じて嫌ってきた葉太。


葉太が自分を守るために演じてきた役は何だったのだろう?



そして、私達も知らず知らずのうちに何かを演じながら、

傷ついたり傷つけたりしているのだと思い知る。


葉太は”小紋扇子”の『舞台』を無事読むことができただろうか。


そしたら、そっと私に感想を聞かせて欲しい…。 



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by ai-3sun | 2016-03-18 23:14 | books

『北欧の挿絵とおとぎ話の世界』


北欧の挿絵とおとぎ話の世界

海野 弘 / パイインターナショナル




『北欧の挿絵とおとぎ話の世界』で紹介されていた挿絵画家のひとり

”カイ・ニールセン”に心惹かれた。


カイ・ニールセンは1886年デンマークのコペンハーゲンで生まれ、

イギリスのアーサー・ラッカム、フランスのエドマンド・デュラックと並んで

《挿絵の黄金時代》をつくったイラストレーター。


この頃のデンマークは、日本との交流が深く”ジャポニズム”(日本趣味)が

ニールセンの絵にも影を落としていたそうだ。

27歳の時にイギリスで挿絵画家としてデビューし、

”In Power and Crinoline”(「おしろいとスカート」)を出版。




ます、本書に出てきた「乙女と養母(イラスト1)」の挿絵について。


娘(乙女)が養母(魔女)に開けてはいけないと言われていた3つの部屋をのぞいたため、

【星】【月】【太陽】を逃がしてしまうシーン。


飛び去ってゆく月を見上げる白いドレスを着た乙女と

これからの運命をほのめかすかのように

乙女の左側に描かれている禁断の実を食べてしまうアダムとイブの姿が描かれている。


☆この挿絵の、”星がちりばめられた月”のファンタジックな美しさといったら…☆




「乙女と養母(イラスト2)」は

水を飲もうとした王子が、水面に映る美しい女の顔を見つけるシーン。

その美しい人とは、養母に呪われて口がきけなくなり、木の上に隠れていた乙女だった。




そして、代表作「太陽の東、西の月」(East of the Sun and West of the Moon、1914年)は

ノルウェーの民話集。


ニールセンは、北欧の青白い夜の空間の中に、幻想的な月や星をちりばめて

きらびやかな世界を作りだしている。


「太陽の東、西の月(イラスト1)」は

白くまに乗った乙女の姿が描かれているのだが、

白くまというのは王子の仮の姿。

月や星が、哀しいほどの淡い光でまわりを包み込み、

零れ落ちてくるかのような”白い光の葉”がとても美しい。


ニールセンの「太陽の東、西の月」には

エキゾチックな”波”や”細長い柳のような木”が多数描かれている。

特に「太陽の東、西の月(イラスト3)」の

”北風”が乗っている”波のしぶき”は日本の浮世絵そのもの。


「太陽の東、西の月(イラスト4)」では

細い橋(螺鈿細工のような模様)の上に馬に乗った乙女と王子がいるのだが、

後ろの赤い布(?)のようなモノの色が、やはり浮世絵を思わせる。

橋の下の方では、”波”と”岩”と”松の木に似た枝”が印象的だ。



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他にも素晴らしい挿絵画家の作品がたくさん掲載されていたのですが、

とりあえず、感想はここまでにしときますね^^


興味があった方は、是非ご覧ください!!
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by ai-3sun | 2016-02-15 23:10 | books

『100万分の1回のねこ』~佐野洋子さんへのトリビュートアンソロジー~

昨年の7月に刊行され、読みたいなぁと思いながら
忘れてしまっていた本の一冊がコレだった。



100万分の1回のねこ

谷川 俊太郎 / 講談社





佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』は200万部を超えるベストセラーだそうだ。

私も以前『100万回生きたねこ』を読んだことがあるのだが
どんな話だったのかあまり記憶にない。

猫好きとして面目ない感じでもある。


『100万分の1回のねこ』ができたそもそもの経緯というのは
広瀬弦さん(佐野洋子さんの息子さんであり、自らも作家)と谷川俊太郎さん、
編集者の刈谷政則さんの3人で飲んでいるときに考えた企画だそうだ。

それでいろいろな方々に依頼を出して
13人の人気作家による短編小説や詩の
”佐野洋子さん”へのトリビュートアンソロジーという形になったという。


それぞれの作品がとても味わい深い猫の話になっているのだけど
特に私が気に入ったのは
岩瀬成子さんの『竹』という物語だ。

岩瀬さんは児童文学を書く方なのでお話がわかり易く魅力にあふれている。

作者の紹介欄のページに書かれている
『100万回生きたねこ』に対するコメントがまず面白い。


100万回も平気で孤独を生きたのに、愛が猫を滅ぼしてしまった。
愛は恐ろしい。
うちの猫に「あんた、50回くらい生きたの」と訊いてみたが、知らんぷりしている。
案外60万回くらい生きているのかもしれない。


(笑)


『竹』に登場する”竹”というのは飼い猫の名前なのだが、
”竹”の飼い主の家族構成は、小学校6年生の菜々、姉の中学3年生の葉菜と、
(父親は単身赴任なので)母親の3人だ。

とにかくね、この子たちの母親がかなりの曲者なの!

母親は夜中までお酒を飲んだり煙草を吸ったりしているので朝は起きないし。

姉の葉菜が朝ご飯を作るようになったのは菜々が小3のときだった。
(姉は小6ってことね)

そんな家庭で猫がいなくなったところで
母親はまったく気にもとめていない。

一方姉は、”竹”がコワイおじさんにどこか遠くに捨てられて、帰って来られないのだと思う。

菜々も次第に、もう”竹”が戻ってこないのではないかと不安に感じ始め
”竹”を探しに出かけるのだが、、、


大学の先生をしている父親の方は
なぜかいつも菜々の携帯に電話をしてくる。

めったに家に帰ってこない父に猫のことを相談しても
「穏便にって。母さんに」と言うだけで、直接母と話はしない。

案外いろんな事情を抱えている家族のようだ。

何だろなぁ、、、
小学校6年生ごろの、初恋みたいにそわそわしたりする気持ちとかも
思い出しちゃうよね。


そして、”竹”はどうなったのか?…というと


……  読んでのお楽しみということで♪




猫ってそんなもんかも? と思いつつ… 
 

今度、近所のトラ猫に会ったら訊ねてみたいものだ

「キミの名前は?」って。



そしたら、「イッパイアッテナ。」って言われるかもしれないしね(笑) 楽しみだ。 

(ふふ、、、100万回生きたねこじゃないほう♪)
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by ai-3sun | 2016-02-01 23:32 | books

『晩年』の感想をちらほら

晩年 (角川文庫)

太宰 治 / KADOKAWA / 角川書店




『葉』の中に登場する
花売りの外国人の女の子の
「咲クヨウニ。咲クヨウニ。」

…というセリフが胸を突く。

ただ、それだけのことなのに…



安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、
ひしがれたくらしをしているときは、生のよろこびをつづる。



生活。

よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ

どうにか、なる。





『ビブリア古書堂の事件手帖』⑥巻にも引用されていた言葉。

叔母の言う。

「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。
 お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。
 お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。」

私はどれもよくできないだろうな。。
そんなに人に好かれなくてもいいからね


太宰はどんな気持ちで聞いていたんだろう




『ビブリア古書堂の事件手帖』②巻~栞子さんと奇妙な客人たち~

の第四話”太宰修『晩年』(砂子屋書房)より

栞子さん所有の稀覯本の表紙の見返しに書かれていたとされる一文

「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ
 スベテ コレ 罪ノコナレバ」

(太宰修の『晩年』の『道化の華』に登場する”大庭葉蔵”からのメールで物語が始まる)


死ぬことばかり考えていた作者の痛い程の思いが伝わってくる文だ。

すべての人が”罪ノコ”なら、誰に遠慮して生きることもないだろうが…



「ここを過ぎて悲しみの市(まち)」で始まる『道化の華』の主人公

”大庭葉蔵”という名の生まれるまで。

太宰でもあり、作者でもあり、登場人物たちの心情でもあり…
なるほど、若かりし日の私たちでもあって…


”青年たちはいつでも本気に議論をしない。お互いに相手の神経へふれまいふれまいと
 最大限の注意をしつつ、おのれの神経をも大切にかばっている。”


おどけて見せることで、真実を隠しているのだが

表面だけの人間関係は、すぐに終わりを告げるだろう

可哀想な人、可哀想な人。

キミも、私も。
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by ai-3sun | 2015-09-25 05:46 | books