『君の隣りに』(本多孝好)

君の隣に

本多 孝好 / 講談社




デリヘル嬢の生活の事を一度も考えたことはなかった。

(うん、多分それがフツーだっ!)


この本がそういうストーリーだったことも

ページを開くまで知らなかったし。

だから、読み始めてから面食らってしまった。

(あらー!そんなストーリーだったなんて)


だけど、私達はその種の仕事をしている人に対して

どんな意見を言えるのかな?


想像してみる…


デリヘルをしている女性の子供の事を

普通の生活をしている(と思っている)人々はどんな風に扱うんだろ…って。



小学4年生の子供を持つデリヘル嬢が

娘を置いて消えてしまった事件を発端に

彼女に関わる様々な人達の日常や過去が明らかにされていく物語。


本多さんの作品は、世の中のデリケートだったり汚かったりする部分も

”キヨラカ”に変換してしまう技を持っているんだよね。

だから、ここに書かれているようなお仕事は

ホントはこんなもんじゃない!!



…と言いながらも、最終章では思わず涙ぐんでしまった。

普通の中学生は、こんなに大人じゃないって分かってるんだけど。



世の中の私の知らない場所で生きている人たちの生活を考えてみる。

普通だと思っている生活も

誰もがそんなに簡単に手に入るわけじゃない。


生きていきたいわけじゃなく

生きていかなければならない…

そんな人たちもたくさんいる。(もしかしたら、私もその一人)


そういう人たちはどこに居場所を求めたらいいの?


「君の隣りに」居たいと言えるならいいな…


でも、「君」の存在が見つからない人間はどうしたらいい?


のろのろと人生を彷徨い、目指す場所もなく

そのうち、自分が”ニンゲン”だったことも忘れてしまうんだ。


自分をもっと大切にしよう。

そして、大切にしたい人を見つけようと思った。


自分の気持ちが届かなくても、

”君がいるこの世界に生きている” それだけで十分。



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by ai-3sun | 2016-04-04 23:17 | books