『晩年』の感想をちらほら

晩年 (角川文庫)

太宰 治 / KADOKAWA / 角川書店




『葉』の中に登場する
花売りの外国人の女の子の
「咲クヨウニ。咲クヨウニ。」

…というセリフが胸を突く。

ただ、それだけのことなのに…



安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、
ひしがれたくらしをしているときは、生のよろこびをつづる。



生活。

よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ

どうにか、なる。





『ビブリア古書堂の事件手帖』⑥巻にも引用されていた言葉。

叔母の言う。

「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。
 お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。
 お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい。」

私はどれもよくできないだろうな。。
そんなに人に好かれなくてもいいからね


太宰はどんな気持ちで聞いていたんだろう




『ビブリア古書堂の事件手帖』②巻~栞子さんと奇妙な客人たち~

の第四話”太宰修『晩年』(砂子屋書房)より

栞子さん所有の稀覯本の表紙の見返しに書かれていたとされる一文

「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ
 スベテ コレ 罪ノコナレバ」

(太宰修の『晩年』の『道化の華』に登場する”大庭葉蔵”からのメールで物語が始まる)


死ぬことばかり考えていた作者の痛い程の思いが伝わってくる文だ。

すべての人が”罪ノコ”なら、誰に遠慮して生きることもないだろうが…



「ここを過ぎて悲しみの市(まち)」で始まる『道化の華』の主人公

”大庭葉蔵”という名の生まれるまで。

太宰でもあり、作者でもあり、登場人物たちの心情でもあり…
なるほど、若かりし日の私たちでもあって…


”青年たちはいつでも本気に議論をしない。お互いに相手の神経へふれまいふれまいと
 最大限の注意をしつつ、おのれの神経をも大切にかばっている。”


おどけて見せることで、真実を隠しているのだが

表面だけの人間関係は、すぐに終わりを告げるだろう

可哀想な人、可哀想な人。

キミも、私も。
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by ai-3sun | 2015-09-25 05:46 | books