アルベール・カミュ~異邦人~


今年の夏の暑さは、私をイライラさせた。

激しい暑さは、人を攻撃的にさせると思う。
私は「太陽のせいだ」という『異邦人』の中のセリフを思い出した。

それで、久しぶりにカミュの『異邦人』を読んでみることにした。


主人公のムルソーの気持ちもよくわからなかったが、
マリイの気持ちも、私には理解できなかった。

あまりに難解なので、マリイになってみることにした(?!)042.gif


異邦人 (新潮文庫)

カミュ / 新潮社



マリイの独り言


「私と結婚したい?」
私はムルソーに尋ねた。

彼は、それはどっちでもいいことだが、マリイの方でそう望むのなら
結婚してもいいと言った。

「あなたは、私を愛しているの?」

「それには何の意味もないが、恐らくは君を愛していないだろう」

「じゃあ、なぜ私と結婚するの?」

「そんなことは何の重要性もないのだが、
君の方が望むのなら、一緒になっても構わない。」

私は彼と結婚したかったのに・・・
それとも、私も同じようにどちらでもよかったのか
今となっては、それもわからないのだが。


私はマリイ。。
ムルソーの居た前の職場で、タイピストとして働いていた。
私は彼の母親が亡くなった翌日に、
彼と港の海水浴場で偶然出会った。

服を着替えた時に、彼が黒いネクタイをしていたので
彼が喪に服していることを知った。

彼は養老院に母親を預けており、母親が死んだ時も
あまり悲しそうには見えなかったらしい。
誰もが後の裁判で、彼のについて、そう証言をした。


彼の裁判の日も、暑苦しい夏の一日だった。
廷内には大きな扇風機があったが、
陪審員も検事も弁護士も、それぞれが麦藁のうちわを手にしていた。

そうだ、だからムルソーは法廷で言い放ったのだ。

「それは、太陽のせいだ。」と・・・


彼の母親を埋葬した時も、太陽が照りつける暑い日だった。
そして、彼の運命を決定づける事件があったのも、
陽の光で頬が焼けるような、ひどい暑さを感じる日だった。


私は、セレストの証言の後、帽子を被って法廷に立った。
私はムルソーのことを好きだったが、
「彼の女友達です。」と答えた。

私がその日、フェルナンデルの映画(喜劇)を観たいと言ったので
海水浴の後で映画を観に行き、その後、二人で部屋へ帰ったと話した。


検事と陪審員たちの冷たい沈黙が、私を不安にさせた。
「あの人は何も悪いことをしていない。」と、私が泣き出したため
私は、法廷から連れ去られた。


長い時間をかけてから、判決は下された。


ムルソーはその時も、私の方を見ようとはしなかった・・・


彼がレエモンと知り合いでなかったなら、
こんな事にはならなかったのだろうか?
それとも、彼がレエモンに対して何の感情も抱いていないように
私に対しても、感情を持ち合わせていない事を
もっと早く知るべきだったのか。。


私は当時、彼と結婚したいと願っていた。
けれど、その気持ちが愛だったのかどうか
何年経っても、わからないままだ・・・

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by ai-3sun | 2011-10-29 21:37 | books